「天国言葉」を唱えていれば、いつかは幸せになれるのか?

天国言葉とは、
「愛してます」「ついてる」「うれしい」
「楽しい」「感謝してます」「しあわせ」
「ありがとう」「ゆるします」の8つの言葉。
斎藤一人先生によれば、
これらの言葉を常に唱えていれば、
良いことが沢山起きて、幸せになれるとのこと。
今回の話は、「これは本当なのか?」について。
私が感じる個人的意見なので、
参考程度に聞いて頂ければ、幸いだ。

結論から先に言えば、これは本当。
天国言葉を常に唱えていれば、
身の回りで良いことが起きるようになる。
しかし、なぜ、それが起きるのか?
本質的なことを理解する必要がある。
その本質が分からなければ、
いつまでも問題が解決されず、
嘆くことになるからだ。

以前、こんな人がいた。
嫁いだ先で、義理親が支配欲の強い人で、
自分の意のままに嫁を動かそうとした。
思い通りに行かなければ、かんしゃくを起こし、
子供のように駄々こねて、
文句を言ったり、嫌味を言ったり、皮肉っぽかったり。
そんな義理の親に対して、
どう接してよいのか分からず、
非常に悩んでいた。

このお嫁さんを仮にAさんと呼ぶことにしよう。
Aさんは、一人先生の「天国言葉」の話を聞き、
早速、自分もやってみようと決めた。
実践すれば、義理親も変わってくれるだろう。
嫌味や皮肉、文句を言うこともなくなるだろう、
と期待していた。
暫くの間、Aさんは「愛してます・ついてる・うれしい
楽しい・感謝してます・しあわせ
ありがとう・ゆるします」と何度も何度も
呪文のように一生懸命唱えていた。

しかし、何か月か「天国言葉」を唱え続けても、
Aさんの身の回りの状況は
何も変わらず、今まで通りだった。
義理親は、いつものように文句タラタラ。
嫁のせいではないことでも、
嫁が悪いと決めつけて、非難してくる。
「ああ、本当に困ったものだ。もううんざりだ。
義理親の顔を見るのも嫌だ」とまで思い、
Aさんは義理親を避けるようになった。

Aさんが言うには、
「天国言葉は効き目がない。嘘だ」ということ。
この話を聞いた時、私は思った。
「おそらく、Aさんは天国言葉がなぜ効果的なのか
本質的なことを理解していない。
だから上手く行かないんだ」と感じた。

基本的には、「他人は変えられない」。
自分が他人にこう変わって欲しい、
こうなって欲しい、
あんなことはして欲しくない、
とどんなに望んでも、
自分は他人を変えることはできない。
そのために、自分がいくら努力しても、
他人を自分の思い通りに変える努力は
実ることはなく、空しく終わるだけだ。
このことをしっかり覚えておくことは、
とても重要なことだ。

しかし、自分の努力で
自分を変えることは可能だ。
自分が変われば、相手との人間関係も
今までとは変わってきて、
良好な関係になれるケースもある。

天国言葉をいくら唱えたところで、
「他人に変わって欲しい」
と願っている時には、その願いは叶わない。
他人を変えることは不可能だからだ。

しかし、天国言葉を沢山言って、
自分自身に天国言葉のシャワーを浴びせ続ければ、
そのうち、自分の潜在意識の中にも、
ポジティブな言葉が少しずつ積もってゆく。
潜在意識の中に、どんな情報が詰まっているかで、
自分の感じ方も観方も大分変ってくるものだ。

今まではネガティブで一杯だった人も、
天国言葉のお陰で、徐々にポジティブが増えれば、
自分自身が少しずつでも変化してくる。
以前なら、こんな経験をすれば、
「なんて酷いことだ!」と文句を言い、
嘆いていた人でさえ、
同じような出来事が起きても、
全く同じようには反応しなくなる。
潜在意識の中にある情報がポジティブになれば、
同じ体験でも全く違う解釈が可能になる。

天国言葉のお陰で、自分が変われば、
相手は全く何も変わらなくても、
相手との関係性も違ったものになる。
自分はもっと広い視野で、
より客観的に物事を判断して、
相手から攻撃を受けても、
真正面からぶつかり合うことなく、
上手くスルーできるようになる。

天国言葉の効果は、
それを唱える人自身を変えるのであり、
他人や外の環境を変えるものではない。
自分が変わったお陰で、
他人や外の環境も
自分にとっては違うものに見えてくる。
これが天国言葉の効果の本質的なことだ。

Aさんも義理親に変わって貰うことを期待せず、
自分自身が常に天国言葉を話すよう心がければ、
そのうち、Aさんの潜在意識内も
このような言葉で満たされてくる。
そうなれば、義理親が今まで通りであっても、
義理親に対する感じ方は
少しずつでも変わってゆくものだ。

言葉の持つ力は
私たちが想像する以上に大きい。
毎日、口に出して話す言葉や、
自分の心の内でささやく言葉が
どんなものであるかで、
その人の人生が決まると言っても過言でない。
言葉でその人の考え方が変わり、
行動も変わり、習慣も変わる。
習慣が変われば、人生も変わってゆく。

自分が望むような美しい言葉を
沢山発することは、
自分を望む方向に向けてくれる。
言葉があって、思考となり、
思考が行動に繋がり、
行動が繰り返されれば、習慣化して、
その望ましい習慣が
人生を望ましい方向に導いてくれる。

天国言葉は
他人や外の環境を変えるものではない。
天国言葉により、
自分の内に望ましいものが積み重なり、
それにより、自分自身が変わってゆく。
自分が変わるから、
他人に対して、外の環境に対して、
感じ方が変わって来るものだ。
これが天国言葉の効果の本質だ。

天国言葉が目指すところは、
他人を変えることではない。
自分自身が変わり、そのお陰で、
幸せを感じられるようになることだ。
つまり、自分の潜在意識を変えることが
一番の目的だと言える。