すべては仮説:柔軟な思考の重要性

今回のテーマは、
「常識」や「社会通念」、
さらには「科学」も
変わりうるものである
という点です。

これらは「絶対不変の正解」ではなく、
「現時点での仮説」として
捉えることが重要です。

こう考えることで、
より柔軟で賢く生きることが
可能になるでしょう。

絶対的なものと考えない理由を、
具体的な例を挙げながら
説明したいと思います。

====

時代の変遷と共に変わる常識

時代が変わるとともに、
常識も変わるものです。

過去のある時代に
「常識」とされていたことが、
現代の私たちには
ナンセンスや非常識に映ることも
多々あります。

過去の人々が当然と考え、
疑うことなく受け入れていた
「常識」や「社会通念」が、
現代の私たちには
奇妙に思えることも
珍しくありません。

たとえば、戦国時代には、
武士が切腹を名誉とし、
命を絶つことで名誉を守る
という価値観がありました。

現代の私たちにとっては、
自ら命を絶つ行為は
重大で悲痛な決断ですが、
当時の武士道においては、
それが名誉と誇りを守るための
立派な行為とされていました。

また、江戸時代には、
厳格な身分制度が存在し、
農民、職人、商人などの階級ごとに
生活や仕事が
厳しく制限されていました。

現代では、職業や生活の自由が
尊重される社会が一般的ですが、
当時はそれぞれの身分に応じた役割を
果たすことが「常識」とされていました。

さらに、昭和初期には、
女性が家事や育児に専念することが
当然とされ、女性の社会進出は
限られていました。

現在では、
多くの女性が職業を持ち、
さまざまな分野で活躍しているのが
当たり前ですが、当時は
家庭を守ることが
女性の役割とされていたのです。

このように、過去の時代には
現代から見れば
ナンセンスに思えるような
「常識」が存在していました。

それらは、各時代の背景や
社会状況に根ざしていたため、
当時の人々には当然のこととして
受け入れられていたのです。

====

常識はわずか40~50年でも変わるもの

そこまで歴史を遡らなくても、
ほんの40~50年前を振り返るだけで、
当時の常識と今の常識が
大きく異なることがわかります。

私が小学生のころ、
牛乳は健康に良い
と信じられていました。

成長期の子供に必要な栄養素が豊富で、
カルシウムの摂取源として重視され、
小中学校の給食には
毎日牛乳が提供されました。

教師は、牛乳が嫌いな子供にも
無理やり飲ませることもありました。

しかし、現在では
牛乳に対する見方も
大きく変わりました。

特に日本人には
乳糖不耐症やアレルギーを持つ人が
多いことがわかり、
無理に牛乳を飲むと
健康に悪影響を及ぼす可能性がある
と認識されています。

そのため、
私の子どものころのように、
教師が生徒に無理やり
牛乳を飲ませることも
なくなりました。

また、
結婚観も大きく変わりました。

私が子どものころには、結婚は
男女が一生一緒に暮らすもの
という固定観念があり、
離婚は極めて珍しいものでした。

しかし、現在では
離婚は一般的な選択肢となり、
再婚やシングルマザー、
シングルファーザーも
社会的に受け入れられています。

さらに、喫煙に対する
社会的な認識も変わりました。

私が子どものころには、喫煙は
社会的に広く受け入れられており、
公共の場や職場でも
普通にタバコが吸われていました。

しかし、現在では
喫煙が健康に悪影響を及ぼすことが
広く認識され、公共の場では
一般的に禁煙となっています。

このように、
わずか40~50年の間にも
常識や社会通念は
大きく変わるものです。

そう考えれば、
常識や社会通念も
「絶対的な正解」ではなく、
「現時点で採用されている仮説」
にすぎないと言えるでしょう。

====

科学も仮説にすぎない:変わりゆく事実

科学は事実を探求し、
自然現象を説明する手段ですが、
それもときには見直され、
修正される仮説にすぎません。

歴史を振り返ると、
かつて常識とされた科学的な「事実」が、
後に誤りだと判明することが
数多くあります。

たとえば、昔、人々は
地球が平たいと信じていました。

そして、それは長い間
当然のこととされていました。

しかし、
15世紀から16世紀にかけての
大航海時代において、探検家たちが
地球を一周できることを証明し、
地球が球体であることが
明らかになりました。

これにより、長い間信じられていた
平たい地球説は覆されたのです。

また、20世紀後半には、
卵はコレステロール値を上げるため
健康に悪いとされていました。

そのため、多くの人々が
卵の摂取を控えていました。

しかし、近年の研究では、
卵のコレステロールが
必ずしも血中コレステロール値を
上げるわけではないことが判明し、
卵の摂取は健康に良いとされ、
むしろ奨励される傾向にあります。

このように、科学的な見解も
新たな研究結果により
修正されてゆくものです。

つまり、科学的な「事実」は
常に進化し続けている
ということです。

今の段階で
正しいとされることでも、
将来新しい発見や技術の進歩により
覆される可能性があります。

そう考えれば、
科学は絶対的なものではなく、
変わる可能性のある仮説として
認識したほうが賢明でしょう。

====

オープンマインドな姿勢が理想的

私たちは、今の時点で
正しいとされていることを身につけた後、
それがずっと続くものだと思い込み、
知識をアップデートしないことがあります。

古くなった知識に固執し、
信じ続けてしまうことも
少なくありません。

しかし、その姿勢は
適切ではないでしょう。

時代とともに
知識は更新されていくため、
オープンマインドな姿勢で
物事に接することが望ましいです。

今信じられていることでも
「現時点で採用されている仮説」
にすぎないことを
認識することが重要です。

たとえば、
現在広く受け入れられている
栄養学の知識も、将来的には
変わる可能性があります。

今の食事ガイドラインが
将来の研究によって
見直されるかもしれません。

環境問題に関しても、現在の対策が
実は環境に悪影響を及ぼしていた
と判明するかもしれず、その際には
新たな対策が必要になるでしょう。

医療の分野でも、
現在最良とされる治療法が
将来的には最良ではなくなる可能性が
考えられます。

より効果的で
副作用の少ない方法が見つかれば、
今の治療法は過去のもの
となるからです。

このように、
現在「正しい」とされていることも、
未来には異なる見解が
出てくる可能性があります。

だからこそ、私たちは
すべての知識を仮説として捉え、
新しい情報や発見に対して
柔軟な姿勢を持つことが大切です。

慣れ親しんだ知識に固執せず、
常に知識をアップデートする姿勢を持ち、
時代の変化に対応して
最適な判断を下すことが
理想的なのでしょう。

====

常識や社会通念にチャレンジしよう!

もう一度、
常識や社会通念について
考えてみましょう。

常識の中には、
自分を生きづらくしたり、
自分らしく生きることを妨げるものも
あります。

そのような常識に
無理に従うことで、
自分自身を
苦しめてしまうことになるでしょう。

絶対的に正しい常識が
存在しないのならば、今自分が
常識だと思っているものに
チャレンジしてみてもよいはずです。

特に、
自分を生きづらくしている常識や、
自分らしく生きることを妨げる常識を
疑ってみるのです。

この常識に従うのをやめたら
どうなるかを実際に試してみて、
自分で検証してみるのもよいでしょう。

もしかしたら、
やめてみたところで
大きな支障がなかったり、
問題が起きないかもしれません。

そのような場合には、
常識に縛られることなく、
自分自身を解放してあげても
よいのではないでしょうか?

時代の流れとともに
常識や社会通念は変わりますが、
変化を受け身で待つのではなく、
自らの力で能動的に
変えていくことも可能です。

自分を苦しめるような常識や
社会通念があれば、
それが本当に正しいのかを積極的に疑い、
実際にそれをやめることで
検証してみましょう。

やめても大きな問題が
起きないとわかれば、
自分が先頭を切って、
その常識や社会通念を
やめてもよいのです。

多くの人々が
「これが正しい」「こうするべき」
と思っていることに
挑戦するのは勇気が必要です。

しかし、不当な常識に積極的に挑戦し、
行動を起こす人がいれば、
社会の中でもより多くの人々が
生きやすくなるでしょう。

不当な常識にチャレンジすることは、
人助けにもつながるのです。

不当だと思われる
常識や社会通念があれば、
勇気を持って挑戦してみましょう!

====

まとめ:より柔軟で賢く生きるために

今回は、
「常識」も「社会通念」も「科学」も
すべて変わる可能性がある
という話をしました。

つまり、それらは
「絶対不変の正解」ではなく、
「現時点で採用されている仮説」
にすぎないということです。

実際に、過去の時代に
常識とされていたことが、
現代の私たちには
非常識に映ることがありますし、
かつて「正しい」とされていた
科学的事実も、その後に
誤りと判明することも
少なくありません。

このことを認識し、
「常識」や「社会通念」、「科学」が
すべて変わりうるものだ
という前提で、オープンマインドの姿勢を
持つことが望ましいです。

すべての知識を仮説として捉え、
新しい情報や発見に対して
柔軟な姿勢を持つのです。

慣れ親しんだ知識に固執せず、
常に知識をアップデートし、
時代の変化に対応して
最適な判断を下すことが理想的です。

常識や社会通念に
絶対的に正しいものがないのならば、
自分を生きづらくしている常識や社会通念を
一度疑ってみる価値があります。

それに従わないことで
どのような不都合が生じるのか、
実際に試して検証してみましょう。

今まで「こうすべきだ」
と信じていた常識や社会通念でも、
従うのをやめても
大きな支障がないかもしれません。

もしそうならば、積極的に
その常識や社会通念から
自分自身を解放してあげましょう。

常識や社会通念にチャレンジすることは
勇気が要りますが、
チャレンジしたおかげで
より自由に生きられるように
なるかもしれません。

それは自分にとっても、
周囲の人たちにとっても
望ましいことでしょう。