人間は誰でも
心の中に邪悪な部分を
持っている。
そんな邪悪な部分を受け入れ、
自分の内で
温かく見守ってあげよう!
というのが今回の話の内容だ。
なぜそうなのかは、
そうすることで
自分も、周囲にいる人たちも
恩恵を得られるから。
具体的に
どんな良いことがあるのか?
解説したい。
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心に自然と湧いてくる
邪悪なこととは
次のようなものがある。
自分の期待通りに
物事が進まない時に生じる
怒りや不満。
自分よりも優れている
と思われる人に対して湧く
妬ましい感情。
自分に上手くできないことを
他人がいとも簡単にやっていたら、
「あの人不正をしているのでは?」
と疑ってしまう気持ち。
自分はしっかりやっているのに、
相手はそうではない時に抱く
腹立たしい気持ち。
相手の言動が気にくわない時、
相手に報いを与えたい
と思ってしまう衝動。
他人の不幸に
「ざまあみろ!」
と思ってしまう意地悪さ。
「自分だけが得したい」
と願う自己中心的な考え。
「私はあの人よりも
優れている」とか、
「私はみんなよりも美人だ」
とおごり高ぶる傲慢さやプライド
等々。
人間である以上、
こういう邪悪な気持ちや考えが
心の中に浮かぶのは
自然なことだ。
そんな時には、
「ああ、自分の中で
邪悪性が出て来たな」と思い、
生暖かく見守ってあげよう。
醜い気持ちや考えを
無理に抑えつけたり、
否定したりしないで、
「そうだよね。
そんな気持ちもあるよね」
と優しく認めてあげることが
大切だ。
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なぜ、自分の邪悪な部分を
抑え込まない方が
よいのだろうか?
その理由は、そうすることで
他人に対して不必要に
攻撃することも
なくなるからだ。
もし、
自分は清く正しく
振る舞うよう努力していたら、
他人の清く正しくない姿を見れば、
腹立たしく感じるもの。
そして、その相手を
非難したり、攻撃したり
するだろう。
例えば、
電車やバスの中では、
静かにしていないとダメだと思い、
静かにすることを
自分がしっかり守っている場合。
他の乗客でうるさい人がいれば、
その人に対して
怒りの感情が湧いてくる。
そして、その相手を
厳しく取り締まる態度に
出るだろう。
本当は自分も騒ぎたいのに、
騒ぐことは良くないから、
騒ぎたい自分を抑え込み、
無理に我慢をしている。
自分は我慢しているのに、
相手は我慢していないと思えば、
腹が立つからだ。
自分の邪悪な部分を
許すことができれば、
他人に対しても寛容になり、
他人を非難したり、
攻撃したりすることも
少なくなる。
すると
争い事や揉め事も減り、
お互いの人間関係も
自然と良好なものになるのだ。
人の悩みの大半は
人間関係が原因だ。
人間関係で悩むことが
少なくなれば、
心の平穏を保ちながら
幸せな気持ちで生活する時間も
増えるはずだ。
悩むことがなくなる分、
自分も、周囲の人たちも
より幸せになれる
ということだ。
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自分の邪悪な気持ちを
受け入れられれば、
自分自身に対して優しくなれる。
すると
気分的にも落ち着いて、
ストレスが減り、
精神的にも楽になる。
心地良く過ごす時間が
増えれば、
心身の健康状態も改善される。
活力が湧いてきて、
活き活きとした気持ちで
毎日を過ごすことも可能だ。
自分を許せば、
自分を肯定する気持ちも強くなり、
自信がついて、自己肯定感も高くなる。
すると、
色々なことに積極的に
取り組めるようになる。
結果として
豊かで充実した人生を
送りやすい。
自分中の邪悪性を許せば、
他人にも寛容になり、
他人をも許すことができる。
そのお陰で
コミュニケーションも円滑になり、
相手との良好な人間関係も
楽しむことができる。
この状態は
自分にとっても良いし、
周囲の人たちにも望ましい。
自分も得するし、
相手も得するということだ。
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自分の心の内の邪悪性を
認めてあげることは大切だが、
自分の心の内に留めておき、
外に出さない方が賢明だ。
なぜなら、もし
自分の邪悪な気持ちを
他人に伝えることがあれば、
それが原因で人間関係が
壊れることもあるからだ。
他人が苦しんでいたり、
悲しんでいたりする時に
自分の心の内では「それ見ろ」
と思っていても、
声に出して言うのはNG。
そんなことをすれば、
相手から反感を買うだろう。
自分の邪悪な気持ちを
お構いなしに
バンバン外に出していたら、
人間性を疑われてしまう。
他人には言わない方がよいことを
言ってしまったために、
その人との人間関係が悪化して、
友人を失うこともあり得る。
私たち人間は
社会的な動物なので、
他人との関りに配慮しながら
上手く関係性を維持することが
望ましい。
人間関係で悩まないためにも、
邪悪な部分は自分の中だけに
しまっておく方が無難だ。
さもないと
損するのは自分自身だから。
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邪悪な気持ちが
自分の心に
湧き上がってきたら、
自分の心の内で
肯定してあげよう。
「そうだよね。
そう思ってしまうよね」と
自分に対して肯いてあげる。
自分の邪悪な気持ちを
恥ずかしいと思う必要は
どこにもない。
なぜなら、人間は
みんなそんなものだから。
否定することもなく、
抑えつけることもなく、
そのまま「そうだよね」
と優しく見守ってあげること。
それと同時に
他人の中に邪悪なものを
見てしまった場合にも、
「まあ、人間だから
しょうがないよね」と
寛容に接してあげること。
このような姿勢で生きれば、
自分にとっても、
相手にとっても
一番良い結果を生み出す!