今回の話は、
子供を自立させたいのなら、
存分に甘えさせてあげよう
という内容です。
子供を自立へと
導きたいのであれば、
存分に甘えさせてあげることが
必要だからです。
甘やかすことで
子供が自立できないのではないか、
逆に依存的になるのではないか、
と懸念するかもしれません。
しかし、実際のところは違います。
幼い時期に
充分に甘えさせることは、
子供の自立にとって
非常に大切なのです。
この記事では、その背景となる理由を
詳しく解説していきましょう。
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自分の子を
自立した大人に成長させたい
と願うのは、
親として当然のことでしょう。
そのために、しばしば
子供に厳しい言葉を
投げかけることもあるでしょう。
「しっかりしなさい!」
「前向きに考えなさい!」
「弱音を吐くんじゃありません!」
「強くなりなさい!」
「めそめそするんじゃありません!」
といった言葉を
子どもに発する親は少なくありません。
そうすることにより
子供を早く自立させ、
立派な人間に育て上げられる
と信じているからです。
しかし、これが必ずしも
望ましい結果を
もたらすわけではないのです。
こうした言葉を受けて育った子供は、
一見しっかりしているように見えても、
内面的には不安定さを抱え、
自立を妨げられることもあります。
心理的な自立には、
「親にしっかりと甘えること」
が必要不可欠なのです。
十分に甘えることが
許されなかった子供は、
表面上は立派に見えても、
内心は不安定であり、
成人してからも
心の問題を抱えやすくなります。
発達心理学の研究によれば、
親にしっかりと甘えられた子供は、
心理的に自立しやすい傾向にあります。
それとは反対に、幼いころに
十分甘えられなかった子供は、
大人になっても心理的自立が
困難なケースも多々あるのです。
子供の健全な心理的成長には、
親が子供の甘えを許すことが
非常に重要だと言えるでしょう。
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幼い子供にとって、
親がそばにいて
守ってくれる安心感は
とても大切です。
なぜなら、幼児期の子供は
自分一人では
生きていけない存在だからです。
親に見守られることで、
「自分は安全だ、大丈夫だ」
という確かな保護を
感じることができます。
すると、子供は
「自分でやってみたい」
という気持ちを育み始めます。
成長するにつれて、
外の世界への興味が芽生え、
冒険を始めるのです。
しかし、
冒険中には困難に直面し、
不安になることもあるでしょう。
そんなとき、子供は親の元へ戻り、
甘えることで安心感を得ます。
そして、親からの
優しい抱擁を受けると、
子供は再び外の世界へと
冒険に出ることができます。
安心感-冒険-困難に遭遇-親に甘える
-安心感-冒険-困難に遭遇-親に甘える
-安心感……
このサイクルを繰り返すうちに、
「いつでも自分を見守ってくれる親」
というイメージが
子供の心に定着します。
これが確固たるものになれば、
親が見えなくても
自分一人で外の世界に
出て行けるようになるのです。
つまり、甘えることが許され、
安全基地を心に築いた子供は、
心が安定し、心理的にも
自立することが可能です。
一方で、甘えることを許されず、
十分に甘えられなかった子供は、
大人になっても
心の安心感を得ることが難しく、
真の意味での自立が
困難になるのが現実です。
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しかし、ここで
注意すべきことがあります。
甘えを許すことと、
甘やかすことは
根本的に異なると理解することです。
これは、親として特に
意識すべき重要な点でしょう。
例を挙げてみましょう。
子供が「欲しい玩具を買って」
と親におねだりしたとします。
この玩具を買う行為が、
必ずしも子供の甘えを
許すことにはなりません。
特にその玩具が高価で、
親が買えないこともあるでしょう。
「残念だけど、それは買えないんだ」
と伝えたとき、
子供は失望するでしょうし、
場合によっては怒りを
露わにするかもしれません。
そんなとき、
子供の感情を否定せず、理解し、
共感を示すことが「甘えを許す」
という行為です。
「欲しいものが手に入らなくて
悲しいよね、怒りたくなるよね」
と子供の気持ちを受け止めることが、
子供が安心して
甘えられる環境を
作り出すことにつながります。
一方で、
子供のすべての要求に応じることは
「甘やかす」という行為になるでしょう。
親の状況や経済的な事情によっては、
子供の要求を満たせないことも
あるでしょうし、子供の要望が
必ずしも望ましいこととは限りません。
子供の感じる感情を
責めることなく、受け入れることが
「甘えを許す」という行為です。
これにより、子供は
自分の気持ちを素直に表現でき、
親からの受容を感じることができます。
この受容感こそが、
子供の健全な成長にとって
非常に大切な要素なのです。
親が子供の甘えを
受け入れることができれば、
子供は自分の感情を抑える必要なく、
安心して甘えることができます。
そして、このような環境で育った子供は、
自分自身をも受け入れやすくなり、
心が安定し、自立する力を
身につけることができるのです。
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子供の自立を促すには、
幼い頃からたっぷりと
甘えさせることの大切さを
理解することが重要です。
甘えを通じて
心の安定を得ることで、
自立へ向けた準備が整うからです。
「いつまでも甘えるな!」とか
「早く自立しろ!」といった言葉がけは、
子供の成長にとって
逆効果になり得るため、
慎重になる必要があります。
子供は親が常にそばにいて
見守ってくれることを求めており、
その安心感があれば
外の世界へと自信を持って
冒険に出ることができます。
困難に遭遇するたびに
親のもとに戻り甘える子供ですが、
この甘えを受け入れることで、
再び世界へと
飛び出していく勇気が育まれます。
この繰り返しを通じて、
親が視界にいなくとも、
内心には守ってくれる親の存在があり、
自ら安心して行動できるようになるのです。
重要なのは、
子供を甘やかすのではなく、
甘えを許すことです。
何でも子供の言う通りにするのではなく、
どんな感情を持っていても
それを否定せず
受け入れる姿勢が大切です。
そうすることで、子供は
親に安心して
甘えることができるようになります。
子供が抱くあらゆる感情を受け止め、
そっと寄り添うことで、
子供は自立への大切な一歩を
踏み出すことができるでしょう。
子供の気持ちを受け入れ、
甘える心を許すことで、
子供の自立心を育んでいきましょう!