私がニュージーランドで体験した
カルチャーショックについて
お話ししたいと思います。
私はこの国に
33年間住んでいるのですが、
未だに違和感を覚える瞬間があります。
特に、今回は
ニュージーランドで体験した
サービスについて、
思わず「あれ?」と感じたエピソードを
ご紹介します。
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先日、オンラインで
「特別頑丈な傘」を購入しました。
この傘は
ウェリントンのような風の強い場所でも
壊れにくいと評判で、
高価ではありましたが
購入を決めました。
注文後、
商品はすぐに届きました。
しかし、
届いた箱を見て驚きました。
私が注文したのは
ピンク色の傘なのに、
箱には「黒」と記載されていたのです。
店側の間違いだろうと思い、
箱を開けずに
メールで問い合わせを行いました。
店からは迅速な返信があり、
間違った箱の写真を
送るよう求められました。
さっそく指示に従い、
「黒」と書かれた箱の写真を撮り、
メールで送りました。
それから数日間、
店からの返事は
ありませんでした。
3日後、店から再度メールがあり、
箱に「黒」と書かれていても、
中身は注文通りの
ピンク色の傘であるとのことでした。
箱を開けて確認すると、
確かにピンク色の傘が入っていました。
お店はリサイクル箱を使用しており、
箱と中身が
必ずしも一致しないことがある
と説明されました。
そのとき私は思いました。
「最初にその旨知らせてもらえれば
よかったのに!」と。
箱に「黒」と記載されている部分に
バツ印があれば、あるいは
「ピンク色」と書いてあれば、
誤配送と勘違いせずに
済んだのにと思いました。
そこで、この点について
店にフィードバックを
メールで送りました。
すると、店の担当者から電話があり、
予期せぬことを言われました。
「当店ではリサイクルの箱を
利用しているため、
箱に書かれた商品名と
中身が一致しないこともあるんです。
箱を開けて中身を確認しなければ
わからないでしょ!」
と言うのです。
この応答には困惑しました。
リサイクルの箱を
使用すること自体には
問題はありませんが、
その事実をお客に伝えなければ、
お客は知る由もありません。
特に初めて購入する人には、
このような店の方針は
わからないものです。
異なる商品名が書かれた箱を見たら、
誤った商品が届いた
と思ってしまうのは自然なことです。
何らかの方法で
店の方針を伝えることが
親切だと感じました。
注文した商品と異なる場合、
一度箱を開けてしまうと、
その商品は新品ではなくなる
という心配から、
私は箱を開けませんでした。
しかし、この懸念は店側には
まったく伝わっていないようでした。
日本の常識から言えば、
どんなフィードバックであっても、
お客様が意見を述べた際には、
サービス提供者は
耳を傾けるのが普通でしょう。
しかし、今回のケースでは、
私の意見を受け入れるどころか、
「箱を開けなかったのが間違い」
と言われてしまい、
少々腹立たしい気分になりました。
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サービスに関して
もう一つスッキリしない
出来事がありました。
カフェで飲み物を
注文したときのことです。
店員さんが
私の飲み物を載せた
小さなトレイを運んできました。
私はそのトレイを
受け取るために手を伸ばし
トレイに少し触れた瞬間、
前のお客さんが残したトレイが邪魔で、
私のトレイを置くスペースがないことに
気づきました。
そこで、トレイから手を引いて、
前のお客さんのトレイを
横に移動させました。
そのとき、
店員さんから叱責されました。
「あなたがトレイを
受け取ろうとしたので、
私はそのトレイから
手を離そうとしたのよ!!
ちゃんと受け取ってもらわないと
困るじゃない!」と、
かなり厳しい口調で叱られました。
確かに、この件では
私の不注意があったかもしれません。
それにしても、
子どもを叱るような厳しい口調で
言われる必要はなかったと思います。
日本の文化では、
このような場面でも、
お客様が店員に
叱られることは
めったにないでしょう。
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傘の件やカフェの件で、
私は違和感を感じ、
少し不快な気持ちになりました。
これは、私の心の中に、
「サービス提供者は
お客様のフィードバックを
きちんと聞くべきだ」という考えや、
「お客様に非があっても、
サービス提供者は
お客様を非難すべきではない」
という価値観があるからでしょう。
どんなに長くニュージーランドで
生活していても、
私は日本で生まれ育ち、
成人まで日本で過ごしてきました。
そのため、日本独特の
価値観や感覚が
私の中に強く残っています。
日本のサービス精神が根強いため、
ニュージーランドで
さまざまなサービスを受ける際に、
しばしば違和感を覚えるのでしょう。
ニュージーランド社会には
平等主義の雰囲気があり、
日本のような
お客様とサービス提供者の間に
明確な階層はありません。
そのため、
お客様が誤りを犯した際には、
注意されることが
普通とされています。
カフェでの件では
私に非があったため、
それは仕方がないと思いますが、
傘の件に関しては
納得がいきませんでした。
どちらの文化が優れているかを
判断するつもりはありませんが、
サービス提供に関する考え方は、
日本とニュージーランドで
大きく異なると感じています。
今回は、
長年ニュージーランドに住んでいる私が、
ニュージーランドのサービスに
違和感を感じることが多い、
という話をしました。
この件についてはYouTubeでも
トーク動画を投稿しています。
ぜひご覧いただけると嬉しいです。
動画のリンクはこちらです:https://youtu.be/wx0YqTYngKY?si=yOWQK5nMsVtiPkz_